きょうは しごとが おわって
なんだか むしょうに ラーメンが たべたくなったの
ひとりで はげおやじが はいったのは
ちいさな よるのラーメンや
カウンターの すみっこで
びーるを のみながら
しょうゆラーメンを まってたの
そしたらね
となりの せきに ひとりの おんなのひとが すわったの
あたたかそうな コートを ぬいで
すこし ほっぺが あかかったの
スープの においと そのひとの シャンプーのかおりが
まざって なんだか どきどきしたの
おやじ どうしたんだろう
ラーメンで からだが あつくなっただけなのかな
ふたりで ことばは かわさなかったけど
どこかで こころが すれちがったきがしたの
おやじは さいごに スープを のみほして
「ごちそうさま」って ちいさくいったの
それだけなのに
なんだか すこし せつなくて あまいよるだったの 🍜
💬 おやじのあとがき
はげおやじにとって、ラーメンは しあわせの味なの。
でも その夜のラーメンは いつもより あたたかかった。
となりの しらないひとが ほほえんだだけで
こころの どこかが ふっと とけるのね。
そんな夜が あるから、また がんばれるの。